- テイルズ -




〜 サイレントヴォイス 〜
------------------------------------------------------------
著:麻乃ゆうサマ

今夜も、月は妖しく輝いていた。
その2つの月の周りを、小さな星達が不自然なほどに散りばめられ、共に輝く。
「…最近夜空を見ると寒気がするのは気のせいか?」
月の光がしっかりと行き届き、木々達をライトアップさせている中、
夜空を仰ぎ、つぶやく者がいた。
名をオリジンと言い、根元を司る精霊達の王。
散歩でもしてくるか、と漆黒の石版から飛び降りると、
その金色の髪がファサッとなびく。
夜、月光の恵みを受けたトレントの森は美しかった。
夕方まで降っていた雨も止み、その辺りに生えている名もない
雑草すらその夜露に光を反射させ、きらきらと見る人の目を魅了させる。
湖には双月がくっきりと映っていて、木から葉が落ち、
水面に触れるとその影がゆらりと揺れた。
「…………………」
オリジンは無言で立ち止まり、後ろを振り返った。
「2人とも、そこにいるんだろう?分かってるんだぞ」
その言葉に反応し、オリジンの後ろにあった茂みがガサガサと音を立て、
中から2つの人影が顔を出した。
風の精霊シルフと、水の精霊ウンディーネである。
「毎回毎回…よく飽きないな」
「はぅ〜ごめんなさい〜;;;」
言ったのはシルフだった。
しかし、本心ではどうなのか。
それは定かではない…。(謎)
まぁ、そんなことはおいといて。
「オリジン様…城脱走の次は石版脱走そして夜遊びですか?」
オリジンの後ろに、シルフやウンディーネとはまた違う黒い影が現れた。
元素の精霊でオリジン連れ戻し役(?)のマクスウェル。
白いふさふさの眉毛とひげのせいで表情は見えないが、おそらく怒っているのだろう。
「夜遊びじゃなくて散歩なんだが…」
「いっしょです!さあ、帰りますぞ!」
そう言ってマクスウェルが杖を握り直した、その瞬間!

ぐおおおおおおおおっっ!!!!!!

ウンディーネの背後から普通のモノよりも3倍近い大きさのトレントが現れた。
「きゃあああっ!!!」
トレントの勢いよく振り下ろされた中でも一際太い枝から
ウンディーネは何とか逃れることが出来た。
だが、その後の一瞬の隙をねらってまた振り下ろしてくる。
その度に枝の葉と雑草とがこすれあってガサッという音がした。
「ウンディーネ!」
シルフが地面に倒れたウンディーネを一生懸命引っ張って
オリジンとマクスウェルの元へ運ぶ。
それと入れ替わって、オリジンがトレントの前へ跳んだ。
(どうやったらここまでの大きさのトレントが出来るんだ…?)
なんて事を考えつつ、オリジンは槍を構え、その先から閃光を放つ。
パリパリという音がして、トレントの葉が数十枚焦げ落ちた。
それにトレントが焦っている間にオリジンは着地し、シルフ達に言った。
「こいつはすぐ片付ける!お前達は早く逃げろ!」
「えっ…で、でもオリジン様1人じゃ…!!」
「早く!」
「……………っ」
オリジンの言葉を理解してはいたが、
やはりいてもたってもいられずシルフが飛び出した。
そしてオリジンの隣につく。
「私も戦いますっ!オリジン様を1人にさせるなんてできません!!!」
そうシルフが言っている隙に、怒り狂ったトレントの枝が振り下ろされる。
それに本人が気付いたのは、顔面に枝が当たる本当に寸前だった。

ばしいっ!!!

その音が鳴った直後。
その場にいる全員が、時が今までよりゆっくり流れているように感じた。
そして、次に我に返ったとき…。
信じられない光景を目にすることになる。





あとがき

さあ、どうしましょう!;;;
読み切りのはずが…長すぎてこんな事に…;;;
と言うわけで続きそうです(涙笑)

ところで本編の方ですが…。
続きが気になるところですね(苦笑)
いや、気にならない人もそれはそれでOKですよ(笑)

では、私なんかの駄文に付き合っていただき、ありがとうございました。


To be continued........

------------------------------------------------------------
って言うかあれですよ!!羽風の設定ですよ〜〜〜〜っ!!(嬉)
ストーカーー!苦労性ーーー!!(止めて下さい)
あ〜っ続きが気になりますねぇVv
オリジンさんーーーーーーーー!!!(止めて下さいパート2)
麻乃ゆうさんありがとうございました〜Vv
------------------------------------------------------------