〜 サイレントヴォイス 〜
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著:麻乃ゆうサマ
「〜〜〜〜なんて無茶をするんだお前達は!!!」
生死を司る神、クロムを封印した直後、
しばらく続いた沈黙を破ったのがブラムバルドの放ったこの言葉だ。
その一言だけで鳥が驚いて逃げたほどの怒りが込められていた。
「だ、だって…これ以外に方法が思いつかなくて…」
「2人とも助かったから結果オーライ〜」
「そうですよ!結果オーライですよ!」
精霊達は必死にそんな言葉を発していた。
なんとか場を明るくしようという、昨夜には絶対に見られなかった雰囲気だ。
そんな様子を見て、ブラムバルドはその場にぺたんと座り込み、
ふぅとため息をつく。
「まったく…少し失敗すれば命はなかったんだぞ?」
「その時の覚悟もしてましたけどね」
ウンディーネが苦笑していう。
そして言葉を続けようとしたが、
シルフがそれを彼女が言おうとしたのと同じ言葉で遮る。
「でも、どうしても2人ともを助けたかったんですv
どっちかが死んじゃうなんて絶対に嫌でしたから」
「…2度とこんな事をするんじゃないぞ。わかったな?」
「は〜い」
ブラムバルドは立ち上がり、オリジンの運ばれた茂みへ歩き出す。
ガサガサと草をかき分け、茂みの向こう側へ出た。
…そこには、確かに居た。
「あ〜っ!オリジン様!目が覚めたんですねぇっっ!?」
ブラムバルドがオリジンの名を呼ぼうとしたが、
シルフの声であっけなく遮られてしまう。
ここに新たな称号が誕生。
声遮り屋、シルフ…。(謎)
オリジンは体をうにょうにょ動かして喜ぶノームを見ていたが、
シルフの声に気付いて振り返る。
だが、そのオリジンの表情は皆の予想していたものではなかった。
…哀しい顔。
その眼には光が宿っていないように見える。
「…オリジン?」
「どうしたんですか?何でそんな顔してるんですか?」
「あれ〜?オリジン悲しそうな顔〜?あ、ホントだ〜どぉしたの〜?」(鈍っ)
皆の問いに、オリジンは答えなかった。
ただうつむいて黙っているだけ。
その様子を見ていたイフリートが、オリジンに向かって怒鳴り散らす。
「おい!どうしたんだよ!!みんな必死でお前を助けてくれたんだぜ!?
なのに何だよ、その顔は!!!」
「イフリート、落ち着くのじゃ」
マクスウェルがイフリートの後ろから顔を出す。
そして、オリジンの目を見て問いかけた。
「…何かあったのですか、オリジン様?」
それでもオリジンは黙ったままだった。
皆は困ってそれぞれに原因を考え、話し合っていた。
と、そこへ現れた1つの影。
「声が出ないんですか?」
驚いた精霊達とブラムバルドの見る先には、金の眼、青い髪、
そして猫のような耳が特徴的な人物、フェンビーストがいた。
心配そうな表情を浮かべ、その目はオリジンのほうに向けられている。
「声が出ないから返事が出来ない…そうなんですか?」
答えを心待ちにしているかのように、フェンはもう一度問う。
しばらく誰も何も言わなかったが、オリジンがゆっくり頷くのを見た瞬間、
その場が急激に騒がしくなった。
「えええええええええええええええええええええええっっっっっっ!!!???」
「な、な、何でッ!?なんで声出ないんですかっ!?」
「それならそうと先に言えよ!!」
「オリジン、声、出ない。先、言う、無理」
「なんで〜なんで〜???」
「はーいはい、みなさん落ち着いて〜」
まるで小さい子供達を静かにさせるように、フェンが手をひらひらと振って言う。
少したってやっと静まりかえった頃、フェンは咳払いをひとつして笑顔になる。
「さて、まず説明してもらいましょう。どぉしてこんな事になったのか…」
その笑顔からは何かただならぬものが感じられた(謎)
ウンディーネが私が説明しますと言い、精霊達の先頭に立った。
*****
「なるほど。そう言うわけだったんですか」
ウンディーネから一部始終を聞き、フェンは手をぽんと叩いた。
そして、人差し指を立てていう。
「それならこう考えられませんか?
その生け贄の儀式っていうのが精霊の皆さんによって中途半端になり、
オリジンの生還も中途半端になったと…。
つまり、能力のいくつかが封じられてしまったとか」
「それが「声」だったということですか?」
シルフが半泣き顔でフェンにすがりつく。
「…そうかも知れませんね…。ただ、一時的なものだったらいいのですが…」
精霊達全員が複雑な心境だった。
助かったのはいいものの、声が出なくなるなんて…。
そんな思いで胸がいっぱいだった。
陽が沈む。
また、夜が来る。
あとがき
…5話いっちゃいましたよ。どーしましょう(知らん)
さっそく本編ですが、やっぱり一筋縄ではいきませんでしたね。
声が〜声が〜(泣)
さてさて、今回はフェンさん登場です。
羽風さんのフェンさんを見てとても気に入って…。
イラスト描きまくった上小説にまで出しちゃいました;
次回はちょっとオリジン様がかわいそうかも;;;;;
ていうかいつまで続くんでしょうかねぇ、これわ…。
To be continued........
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サイレントヴォイス第五話・・・はなんと!?
フェンさんが登場してますよーーーーー!!!!!!(混乱)
ま、まさかでてくる、とは、思いませんでした(笑)
って、あれ??・・・ぎゃぁっ!!
「サイレントヴォイス。この題名の意味がようやく分かりましたね・・・
オリジンは私が助けますVv(違っ;)」
あ、性格激悪イヤミネコだ・・・
「オオカミですー!それにフェンっていって下さいよー!(泣)」
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